住宅ローン援助と贈与税

両親の援助と贈与税とは?

親子

今回は、親から住宅取得の援助を受ける場合の贈与税について考えてみたいと思います。

 

前回までは、住宅ローンを契約する本人の年収の不足を補う方法として、住宅ローンを複数で返済する場合についてご紹介しました。

 

今回は、住宅ローンそのものではなく、住宅購入資金の一部を援助する場合を考えてみます。

 

資金援助によって、住宅ローンの借り入れ金額を減らすことができれば、本人の年収のみでは購入が困難な住宅を取得できる可能性も高まります。

 

親や祖父母などから資金援助を受けた場合、ある程度の金額までは非課税ですが、非課税枠を超えると贈与税を支払わなければなりません。

 

一般に、贈与税の税率はかなり高く設定されています。そこで、住宅を取得する際に、なるべく贈与税を支払わないようにするには、どのような方法があるのでしょうか?

 

贈与税の課税方法の中で、最も一般的な暦年課税では、1年あたり110万円の基礎控除があります。

 

1年とは、1月1日から12月31日が区切りになっています。そのあいだに受け取った贈与が110万円を超えると、一般的には贈与税がかかることになります。

 

110万円を超過した金額が多くなるほど、贈与税の税率が高くなります。現状の贈与税率は、下記の通りです。

 

  • 200万円以下:10%
  • 300万円以下:15%(控除10万円)
  • 400万円以下:20%(控除25万円)
  • 600万円以下:30%(控除65万円)
  • 1,000万円以下:40%(控除125万円)
  • 1,000万円超 :50%(控除225万円)

 

従って、4000万円の住宅の贈与を受けた場合、(4000万円−110万円)×0.5−225万円=1725万円となります。贈与した額の40%以上の贈与税を支払わなければなりません。

 

非常に高額だとも思いますが、贈与税額を住宅ローンの支払い利子と比較してみましょう。

 

先ほどの4000万円を金利25%で35年ローンとした場合、支払い利子は2005万9196円になり、贈与税より高くなっています。考えようによっては、利子として支払うよりも安いともいえます。

 

しかし、一度に支払う金額としては、贈与税は非常に高額になりがちです。では、贈与税を少なくするためにはどうすればいいでしょうか? 

 

1つの方法は、毎年110万円づつ贈与を繰り返すというものです。

 

例えば、10年間続けると、1100万円を非課税で子供に渡すことができます。しかし、まとまった金額を譲渡するには、かなり前から準備しておく必要があるので、住宅取得を思い立ってからでは、遅いともいえます。

 

住宅取得を目的としたものについては、前述の暦年課税での110万円の基礎控除以外に減税措置が取られているものがあります。
それが、相続時精算課税を利用したものです。

 

贈与税の課税制度には、暦年課税と相続時精算課税の2つがあり、一定の要件に該当する場合には、相続時精算課税を選択することができます。

 

相続時精算課税では、生前贈与として2500万円まで贈与税が非課税になります。ただし、贈与額が2500万円を超えると、超過分に対して一律20%の税金が適用されます。

 

この相続時精算課税では、住宅の購入資金として現金を贈与してもいいですし、住宅そのものを譲渡しても適用されます。

 

相続時精算課税を選択した場合には、贈与者が死亡した際に、相続財産と生前贈与分を合計して相続税が精算されます。

 

しかし、一旦、相続時精算課税方式を選択すると、その後に暦年課税に戻ることはできなくなりますので、注意が必要です。

 

相続時精算課税方式では、結局贈与者が死亡した際に、相続税と合算して精算されますので、結局課税されてしまうことになりますが、前述のとおり、住宅ローンの金利として支払う金額と贈与税として課税される金額を比較すると、贈与税の方が安い場合もありますので、生前贈与のメリットを活かすことができます。

 

特に、相続税が基礎控除以下となる場合には、相続時も全く非課税で生前贈与を受けることができますので、住宅ローンの負担を大きく減らすことができるメリットがあります。

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